「ファミリーホーム」は、里親のように児童を養育者の家庭に迎え入れて子育て、養育を行う家庭養護です
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第10回ファミリーホーム全国研究大会
全国から300名が参加し大成功
8月22日〜23日の2日間、大分県別府市(別府亀の井ホテル)にて、「第10回ファミリーホーム全国研究大会」が開催されました。
全国各地から300名のファミリーホーム運営者、研究者、ファミリーホームの子どもたち、ファミリーホームに興味がある方々が集い、家庭養護の現状と将来のファミリーホームの発展に向けて有意義な意見交換を行うことができました。
今年のテーマは、「家庭養護、 知心剣──ともに作りあげる家庭養育を全国に展開するために──」ということで、大分県ファミリーホーム協議会を中心に、日本一のおんせん県、大分別府温泉ということもあり心温まる雰囲気の中、真摯に子どもとの絆を確認する意義ある大会でした。
第10回ファミリーホーム全国研究大会
九州沖縄ブロック in 大分
大会テーマ:「家庭養護、 知心剣」
──ともに作りあげる家庭養育を全国に展開するために──
大会概要
大会期間:平成27年8月22日(土)~23日(日)
大会会場:亀の井ホテル別府店(大分県別府市中央町15番17号 TEL 0977-22-3301)
主催:日本ファミリーホーム協議会 九州・沖縄ブロックファミリーホーム協議会
後援:厚生労働省 大分県 公益財団法人全国里親会 大分県教育委員会 社会福祉法人全国児童養護施設協議会 社会福祉法人全国乳児福祉協議会 全国児童家庭支援センター協議会 大分合同新聞社
参加費:日本 FH協議会会員 5,000円
里親及び行政機関 6,000円(1日参加 3,000円)
大学生・専門学校生 2,000円(1日参加 1,000円)
上記以外の非会員 8,000円(1日参加 4,000円)
※お申し込み方法、お申し込み先に関しては、6月に配布予定の募集要項をご覧ください。
大会趣旨
第10回大会は、「温泉県おおいた」は別府で開催されます。湧泉量日本一を誇る温泉地であることはご承知の事と思います。ここで体も心も十分に温まって、子ども達にもホットに接していきましょう。ぜひ多くのFH(ファミリーホーム)のご参加をお待ちしています。
全国にファミリーホームの設置が220を越えました。順調に数を増やしてきましたが、同時にさまざまな問題も散見するようにもなってきました。子ども達の抱える心の重圧に比例して、養育者の質の向上が叫ばれつつ、また支援体制の充実が求められておりますが、未だ試行錯誤の段階が続いている状態ではないでしょうか。またFH運営上の制度も各県の事情によって、温度差も生じているところです。それは、FHがちょうど少年期に立ち、これからどこに向かおうかという端境期に入ってきているからだと思います。
本大会では、こうした現状を鑑みて、養育研究のあり方を、もう少し身近なものにしたい、子ども達の課題にもう少し深く取り組んでいく必要がある、と考えています。また「家庭養護の中核としてのFH」の運営や里親支援の状況ををより充実していくためのに現在までの到達点など、現状を全国のFHの仲間の皆さんに周知していきたい。あるいは各県行政の皆さんと共に討論していき、将来にわたる確かな足取りにしていきたい と確認しました。制度の充実と養育への熱意、この両輪を確かなものにする中で、自己の力で未来に拓ける子ども達を作り、それを支援していきたいと考えています。
今大会は、「手作り感」を大切にしました。私たちが感じていることを話しあいながら、テーマを決めていきました。また九州各県では、たくさんの実践をお持ちの先生方や県の職員方、施設運営者が大勢住んでいます。そうした方々のお力をお借りしながら、ローカルから中央に、そして全国に発信できたら素晴らしいことだと思っています。
社会的養護に関わる多くの方々のご参加を得て、交流を深め、「家庭養護の大火」を作り上げ新たな10年を育てていきましょう。
九州・沖縄ブロック 大分大会FH一同
大会プログラム
■第1日(8月22日)
11:30 受付
13:00 開会行事(会長挨拶/来賓挨拶/日程案内)
13:30 行政報告(厚生労働省)
14:05 休憩
14:15 記念講演「笑って愛して ─弱さを絆に」
講師:山本万喜雄先生(愛媛大学名誉教授・聖カタリナ大学教授)
15:45 基調提案(日本FH協議会会長)
16:10 メッセージ「ファミリーホームの未来」(大分県中央児童相談所)
17:15 社会的養護の状況(全国児童養護施設協議会会長/全国児童家庭支援センター協議会会長)
17:40 チェックイン・温泉タイム
19:00 交流会(主催者挨拶/大分県児童養護施設協議会会長/日田太鼓/九州・沖縄名物抽選会/その他)
21:00 終了
■第2日(8月23日)
8:15 受付
9:00 分科会(11:30〜12:20 昼食休憩を挟む)
13:20 会場整理
13:35 分科会報告
14:35 閉会行事(九州・沖縄ブロックFH協議会準備会会長挨拶/次回開催地挨拶(関東ブロック)/閉会の言葉)
15:10 終了
分科会
第1分科会「あなたのコミュニケーション能力は“確か”ですか?」─「コミュニケーション能力の向上」を目指して」
助言者:林 眞帆先生(別府大学文学部教授)
里親のコミュニケーション能力の向上を通して、子ども達のコミュニケーション力を高め、育ちを支援し、里親の養育力の充実と、生活の円滑な関係作りを目指します。実践的な演習形式で行います。
第2分科会「子どもに怒る、失望する、諦める その前に」―養育の実践から[子ども達の問題行動]
助言者:藤林武史氏(福岡市児相相談所長、小児科医師)/川野義人氏(大分県児童養護施設“森の木”施設長)
ファミリーホームも制度化されて、今年で7年目を迎え、小学校低学年で生活を始めた子も中学生になり、昨日までは問題なく声掛けに明るく答えていた子どもが、ある日突然いろいろな問題を抱えて、何気ない声掛けにも敏感に反応したり、ましてや問題行動に発展しそうな場面で、こちらの支援、助言が素直に受け止めてもらえず反発され、苦悩する毎日のFHも多いと思います。そんな子たちの心の背景を探り、関係諸機関との連携を図りながら解決の糸口を共に見つけていきましょう。
例)嘘、携帯問題(出会い系サイト)、夜間外出・外泊、暴力、放火、万引き、家庭以外での盗み、反社会的・非社会的行動、その他心配事
第3分科会「困った子、実は困っている子」─養育者の気づきが子どもの人生を変える
助言者:三ケ田智弘氏(大分こども療育センター所長、児童精神科医師)
私たちが預かっている子ども達の中には、虐待を受けたことが原因で発達障がいの様子が見られます。あるいは「自閉症スペクトラム障がい」といってこれまで「AD/HD」[アスペルガー症候群]といわれていたさまざまな発達障害の子ども達がいます。FHでは、周囲になかなか理解されにくく、養育者にとって育てにくさを感じる子ども達と24時間共に暮らす中で、その子の特性に気づき、専門家につなげていくという、個別養育の良さ・強みを持っています。またその強みを生かしていく力が問われています。
それぞれの悩み・実践を出し合い、専門分野からの新しい説も紹介しながら社会的連携を考えていきます。
第4分科会「明日への旅立ちを、安心と自信を持って!」─子ども達の難しい自立に備えて
コーディネーター:松永忠氏(大分県児童養護施設“光の園”施設長)
やがて自立することを願うものの、子どもも養育者も様々な問題と不安を抱え日々過ごしています。今一度、「真の自立とは何か?」を考え、実態報告から見えてくる課題に対し、具体的にできることは何か探ってみたい。
[論点]
①「それぞれ自立」の定義を考える
②挫折した子どもの再出発のための社会的資源の活用と支援
③真の自立のために今なすべきこと
第5分科会「里親支援専門相談員の役割って何?」─大分県の3年間の活動のあゆみ
コーディネーター:河野洋子氏(大分県中央児童相談所)
大分県はすでに10名の「相談員」さんがいます。この3年間、県内「FH」に深く接触しています。そうした経験と実践を報告しながら、これからより良い役割はどのようなものなのか、あるいは制度的にどのように改善していったらいいのか、皆さんと共に考えていきます。質問もどんどんうけます。全国の相談員さん、行政の方も大歓迎です。
お問い合わせ
大会事務局
〒879-0901 大分県杵築市大田石丸1094-2 大分県FH協議会 大柳弘幸
TEL・FAX 0978-52-2575 Mail kituki.orachan1946@festa.ocn.ne.jp